高齢者は体調が変化しやすい
高齢者は、身体の機能低下により日常生活の中でも体調を崩しやすくなります。しかしそれは自覚しにくく、病気を見逃して重症化する場合もあるため、体調を慎重に観察して早く変化に気づくことが大切です。
季節の変わり目には注意!
高齢になると、気温に合わせて血圧や心拍を調整したり、汗をかいて体温をコントロールする「自律神経」の働きが不安定になります。寒暖差が激しい時期はさらに体温調節がうまくできなくなり、体に不調が現れやすくなります。
自律神経の乱れで起こる症状
食欲不振・微熱・倦怠感・不眠・便秘・憂うつ・無気力など、さまざまな症状があらわれます。中でも、体温調節ができなくなることにより、熱中症や低体温症を引き起こしたり、ウイルス性の感染症にかかりやすくなるので、注意して下さい。
注意したい変化と対処法
●食欲
食欲不振が続くと脱水を起こしやすくなります。少しでも食べられるよう、食事の回数や内容を工夫して下さい。

高齢者は栄養バランスよりも脱水対策の方が重要になるため、アイスクリームやジュース、ゼリーなど、食べたいと感じるものを与えることをおススメします。
●体温
普段から定期的に体温を測りましょう。発熱したら解熱剤などを使用する前に医療機関に相談して下さい。

体温の計測は、体温が比較的低くなる起床後、高くなる食後や入浴後は避けましょう。平熱より1℃以上高い場合は「発熱」と考えて、他の症状がないか確認して下さい。
●皮膚
湿疹・傷・かゆみ・痛み・乾燥など、肌の状態を観察し、常に清潔に保ちましょう。

異常を見つけた場合は、熱いお湯での入浴を避けたり、肌着を綿100%のものに変えるなど、肌にストレスを与えないようにしましょう。肌トラブルがあった箇所は、その大きさや深さ、出血や滲出液、臭いの有無などをメモしておき、医師に相談して下さい。
●便・尿
回数や量の変化、血液の混入などに注意し、下痢や便秘が続く場合は医療機関に相談して下さい。

自宅で簡単に尿検査ができるアイテムもあります。尿中の成分を検査することで、体の変化や異常をチェックできるので、健康管理や医療機関への相談に役立ちます。