高齢者はなぜ口臭が強くなる?
高齢になると唾液の分泌が少なくなり、口臭の原因である細菌を洗い流しにくくなります。また、口臭は介護をする家族のストレスになり、高齢者が孤独感を深めることにつながるため、日頃から口腔ケアを心がけましょう。

口臭の原因
口臭のほとんどは、歯垢や歯周病など口内のトラブルが原因です。ただし、体内の病気が口臭を引き起こす場合があるため、気になるときは医療機関を受診して下さい。
口臭の特徴と疑われる病気
- 卵が腐ったような臭い…胃炎・胃潰瘍など
- カビのような臭い…肝硬変・肝臓ガンなど
- 傷んだ肉のような臭い…気管支や肺の病気
- アンモニア臭…腎臓病
- 甘い臭い…糖尿病
口臭の予防法
●口の中を清潔に保つ
食後に歯みがき・うがい・入れ歯のケアをして、雑菌の繁殖を防ぎます。
●歯科検診を受ける
歯科医院で、定期的に口腔ケア指導や歯石の除去を受けましょう。
●こまめに水分をとる
水分摂取で唾液の分泌を促し、口内の乾燥を防ぎます。

※抗うつ薬や鎮痛剤、利尿剤、抗パーキンソン剤などの薬を服用している場合、中には副作用として唾液の分泌を抑えるものがあります。そうした薬を服用する際は、口内が乾燥しないよう、意識して水分摂取やうがいをするようにしましょう。
口臭を防ぐ舌のケア
舌の表面が汚れや細菌で白っぽい苔状になる「舌苔」も口臭の原因になるため、定期的に舌のケアを行いましょう。舌苔が溜まると味覚を感じにくくなり、食欲低下につながるほか、誤嚥性肺炎の原因にもなります。
①舌用スポンジブラシを水で湿らせ、水気を絞る。
※スポンジブラシがない場合は、指にガーゼやコットンを巻いても代用可能です。
②専用ジェルをつけて、舌の上でスポンジブラシを転がすようにして舌苔を取る。
③スポンジの汚れを水で落とし、①と②を繰り返す。

水の誤嚥に注意!
スポンジブラシに含まれた水を誤嚥しないよう、スポンジブラシに水をつけた後はよく水気を絞ります。寝た状態ではなく上半身を起こして行うと、より安心です。