多汗症は、通常の体温調節に必要な量以上の多量の汗を分泌する疾患のことで、日常生活に支障をきたすこともあります。大きく分けると全身性多汗症と局所性多汗症に分けられます。
全身性多汗症
体全体に汗が出る
原因
温熱性発汗※、内分泌疾患(糖尿病、肥満症、更年期障害)、薬物の副作用など
※温熱性発汗…運動などで体温が上昇したときに汗をかくこと
局所性多汗症
手のひら、足の裏、わきの下など体の一部に汗が出る
原因
明確な原因がわかっていないが、遺伝子的要因、ストレスやホルモンバランスの崩れなどによる自律神経の乱れ
次のような症状を頻繁に感じる場合は多汗症の可能性があります。気になる場合は早めに皮膚科を受診しましょう。
チェックしてみよう!
局所性多汗症の場合、塗り薬・内服薬の他、ボツリヌス注射・イオンフォトレーシス※、手術などがあります。全身性多汗症の場合は、その他に原因となる疾患に対する治療が加わります。
多汗症の原因を探りながら発汗のコントロールや心理的なストレスの軽減、皮膚トラブルの予防などを行い、日常生活に支障を出さないように治療します。
※イオンフォトレーシス…微弱の直流電流でイオン化した薬液を皮膚から導入する方法のこと
発汗には自律神経が深く関わっており、交感神経が優位に働いているときに発汗が起こり、副交感神経が優位に働いているときは発汗が起こりにくくなります。ストレスがあると交感神経が活発になるため、心と体をリラックスさせる時間を作りましょう。また、辛いものや酸っぱいもの、カフェインなどは交感神経を優位にするため、摂り過ぎないように注意しましょう。
飲酒・喫煙・睡眠不足も交感神経を優位にします。バランスの良い食事を心がけ、十分に睡眠をとり、規則正しい生活を送りましょう。