まぶたが腫れて痛い・かゆみがある・ゴロゴロする…。目の周りのできものの多くは「ものもらい」と呼ばれます。「めばちこ」「めいぼ」など、地域によってさまざまな呼び名もあります。今回は、ものもらいの原因や治療法、予防法についてご紹介します。
医学的には「麦粒腫」と「霰粒腫」の2種類に分けられますが、一般的に細菌感染が原因で化膿を起こす麦粒腫であるケースが多いようです。まぶたが赤く腫れ、痛みやかゆみを伴います。膿が出ると自然に治癒していきますが、ときには重症化する場合もあるので注意が必要です。
●外麦粒腫
まぶたの外側にあるまつ毛の毛根や汗腺が細菌感染したもの
●内麦粒腫
まぶたの内側にある脂質を出す脂腺(マイボーム腺)が細菌感染したもの
ものもらいの原因は、黄色ブドウ球菌など人の体に常に存在している常在菌です。感染力は弱いものの、目にケガをしていたり、病気で体の免疫力が低下しているときは感染しやすい状態になっています。治療法は、軽度の場合は抗菌点眼薬や抗菌眼軟膏が効果的です。痛みや腫れがひどい場合は内服薬を用いたり、小さな切開を行い、膿を排出させる場合もあります。
名前から「人からもらう病気」のように思われがちですが、基本的にうつる病気ではありません。しかし、症状が似た病気の「ウイルス性結膜炎」は高い感染力を持ち、タオルなど顔や手に触れるものを介して感染する恐れがあるので十分に注意しましょう。
目に異常を感じたら、こまめに手を洗い、目を清潔に保ちましょう。