高齢者は脱水症になりやすい?
人は、歳を重ねるにつれて体の水分量が減っていき、その分、高齢者は脱水症になりやすくなります。また、のどの渇きを感じる機能も低下するため、気づかないうちに重症化する場合もあります。
高齢者が脱水症になりやすい理由
- 体内の水分量が減る。
- のどの渇きを感じる機能が低下する。
- 夜間のトイレや失禁を心配し、水分摂取を控える。
- 嚥下障害で水分が十分に摂取できなくなる。
※糖尿病によって尿の量が増える、利尿作用のある降圧剤を服用するなど、高齢に伴う病気や症状によって脱水になりやすい状態にある方は、とくに注意が必要です。
早期発見が大切
体の水分量が減ると血液が濃縮されて血栓ができやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞などのリスクも高まります。脱水のサインを見逃さず、症状が疑われるときは医療機関に相談しましょう。
<脱水症のサイン>
- 排尿の回数・量が減った
- 尿の色が濃い
- 便秘・下痢になる
- 食欲がなく、元気がない
- 暑いのに汗をかかない
<注意しましょう>
のどの渇きや唇・口の乾燥、尿の回数・量の増加など、脱水症の初期段階に起きやすい症状に加えて、高齢者の場合は、意欲の低下や無気力などの精神神経症状も出やすい傾向があります。いつもと違う様子はないか、周囲の人が注意を払うことが大切です。
脱水症を予防する水分の摂り方
1日3食の食事で約1リットルの水分を摂ることができますが、成人の場合、少なくとも1日に1.2リットル以上の水分が必要です。1日のうち7~8回以上、定期的にコップ1杯分の水分を摂る時間を決め、手元に飲み物を常備して、こまめに水分補給しましょう。
1日の水分摂取例
適した飲み物を摂取
汗をかきやすい夏場の水分補給には、発汗で失われがちな塩分などの電解質が含まれる「経口補水液」がおススメです。脱水症状が起きたときの応急処置にも適しているので、常備しておくと安心です。
<毎日の食事にも工夫を!>
1日3食の食事には、お茶だけでなく汁物を1品加えるなど、水分が摂りやすい献立を取り入れましょう。また、食事の最後やおやつにフルーツを加えると、水分とともにビタミンも摂取できます。水分量やミネラル、ビタミンの多い食事で、脱水症予防を心がけましょう。