脳は加齢とともに機能が低下し、記憶力や判断力、適応力などが衰えます。とくに記憶の3ステップ「覚える→保持する→思い出す」の中でも思い出す力が衰えることで、覚えたことを思い出すまでに時間がかかるようになります。しかし体験したこと自体は覚えており、もの忘れに対する自覚もあります。そのためヒントがあれば思い出せる場合が多く、日常生活に支障をきたすこともさほどありません。もの忘れは、誰にでも起きる自然な老化現象です。
認知症によるもの忘れは、脳の神経細胞の急激な破壊が原因で起こります。記憶の3ステップのうち覚える力が衰えることで、体験したこと自体も忘れてしまい、さらに自分が忘れていることもわからなくなります。そのためヒントを与えても思い出すことができなくなります。症状が進行すると自分の年齢や住んでいる場所などもわからなくなり、日常生活に支障をきたすようになります。家族や周囲の人にそういった異変を感じたら、早めにかかりつけ医や専門医を受診するよう促しましょう。
加齢によるもの忘れ(例)
認知症によるもの忘れ(例)
高血圧や糖尿病などの生活習慣病は、もの忘れが発症するリスクを高めるといわれています。まずは毎日の生活習慣を見直しましょう。
もの忘れ予防効果のある食材
青魚(イワシ・サバなど)、
緑黄色野菜、果物、
ナッツ類、緑茶、赤ワイン
若年性認知症とは、65歳未満で発症する認知症のことです。最も多いのはアルツハイマー型認知症で、もの忘れや記憶障害、判断力の低下などが現れます。
多くの場合、認知症とは思い至らず発見や治療が遅れます。しかし働き盛りの現役世代で発症する病気のため家族や周囲への影響も大きくなります。少しでも異変を感じたら専門医を受診しましょう。