食べ物や唾液を飲み込むとき、通常は気管部分にフタがされ、食べ物や唾液は食道に入ります。このフタの機能が低下し、飲み込んだ食べ物や唾液などが気管に入ってしまうことを誤嚥といいます。そして誤嚥した際に、肺に細菌が侵入して発症する肺炎を誤嚥性肺炎といいます。
誤嚥性肺炎になると、発熱や強い咳などの症状が起こります。しかし場合によっては「普段よりも何となく元気がない」、「ぼんやりしている」、「食欲がない」といった症状しか現れないこともあり、風邪と間違えて診断されることもあります。とくに高齢者は誤嚥しやすいため、周囲の人も注意しましょう。
高齢になると、飲み込む力の低下、唾液量の減少、口元やのどの筋力が低下することで、誤嚥しやすくなります。通常、誤嚥が起こると反射的に咳で吐き出しますが、高齢者はうまく咳ができず吐き出しにくくなります。寝たきりや免疫機能が低下している場合も、誤嚥・誤嚥性肺炎を発症しやすくなります。
すべての誤嚥が肺炎につながるわけではありません。
咳で吐き出す力、体力、免疫力があれば、誤嚥性肺炎を防ぐことができます。
とろみをつけたり、飲み込みやすい形に変える工夫をしましょう。食事の際は背筋を伸ばして少しずつゆっくり食べるようにして下さい。
起床後に口をすすぐ、食後に歯磨き・舌磨きをする、義歯は外して丁寧に洗うなど、口腔ケアで口内の細菌を減らしましょう。
十分な睡眠、バランスの良い食事をとるなどして、体の免疫力を高めましょう。
お茶などのサラサラした液体、みそ汁など液体と固体がまざった料理、いも類・パン・ゆで卵など水分が少ないぱさぱさしたもの
飲み込む力を維持して唾液を出やすくするために、口やのどの体操をしましょう。
※無理のない範囲で実施しましょう。