円形脱毛症は、頭髪の一部に突然コイン状の脱毛斑が現れます。急に発症することが多く、次第に頭部全体に広がったり、体毛やひげなどに現れる場合もあります。原因として有力とされているのは「自己免疫疾患」です。本来、体内に細菌やウイルスなどの異物が侵入した場合、リンパ球と呼ばれる細胞が異物を攻撃します。このリンパ球が異常を起こして誤って毛包を攻撃してしまう場合があり、それが円形脱毛症につながります。ほかにもアトピー素因、肉体的・精神的なストレス、出産なども原因のひとつと考えられています。
治療方法は症状によって異なりますが、軽症の場合は毛包の炎症を抑えるステロイドの外用薬や内服薬、抗アレルギー内服薬などが使用されます。進行型の円形脱毛症には、ステロイドを脱毛班に直接注射する治療法や、頭皮にかぶれを引き起こす薬剤を塗って人工的に炎症を引き起こし、毛包への攻撃を弱める局所免疫療法などが行われます。
治療法によっては保険適用ができない場合もあります。症状が出てきたら早めに皮膚科で相談しましょう。
頭髪は夜10時から2時に成長するといわれています。できるだけ早く就寝し、しっかり睡眠をとって体調を整えることが大切です。
健康な髪や頭皮をつくるのに必要な栄養素(たんぱく質、ビタミンB群、亜鉛、鉄分など)を積極的に摂取しましょう。
心地よいと感じる程度の力加減で行って下さい。
最近の研究調査では、円形脱毛症患者の約8.4%に家族の中にも同じ症状の人がいることが報告されています。さらに親等が近いほど発症率が高いという結果も出ています。また、一卵性双生児で両方が円形脱毛症を発生する確率は55%と高い確率であることが報告されています。このような結果から、円形脱毛症は遺伝的要因が関係するのではないかと考えられています。