日々の睡眠不足が借金のように積み重なっていくことを「睡眠負債」といいます。近年、睡眠不足が肥満・糖尿病・高血圧などの生活習慣病につながるほか、風邪をひきやすくなったり、がん・鬱病・認知症など、さまざまな病気のリスクが高まることも分かってきました。
睡眠は、体の疲労回復だけでなく、脳の疲労も回復させます。しかし、睡眠不足で脳の疲労が溜まると判断力が鈍り、仕事や家事の効率も低下していきます。また 「寝不足が続いているから休日に寝だめをしよう」と思いがちですが、寝だめでは睡眠負債は解消できません。休日に長時間寝てしまうと生活のリズムが乱れ、翌週の睡眠に悪影響を及ぼすことになります。大切なのは、「安定した睡眠時間」と「質の良い睡眠」です。
睡眠には、体と脳を休める・記憶を整理して定着させる・成長ホルモンを分泌させる・免疫力を上げる・嫌な記憶を消して脳の老廃物を取り除くなど、さまざまな効果があります。そのため質の良い睡眠が大切ですが、それには眠り始めの90分が大切です。この時間に深くしっかり眠ることで体も脳も最高の状態になり、仕事や家事がはかどったり、健康や美容にも良い結果をもたらします。
午後からの眠気を防ぐには、「パワーナップ」という仮眠法が効果的です。15~20分程度(最高30分)、すぐに起きられるようイスに座った状態(うつ伏せなど)で仮眠しましょう。一時的な眠気の解消や、低下した集中力や記憶力をアップさせる効果があります。仮眠前にカフェインを含む飲み物を飲むと、起きた時に頭がスッキリするのでおススメです。