「ゲーム障害」とは、オンラインゲームなどパソコンやスマートフォンを利用したゲームへの過度な依存によって、日常生活に支障をきたす病気のことです。海外では死亡例もあり、2018年6月には、世界保健機関(WHO)が「ゲーム障害」を新たな病気として認定する方針を示したことでも話題を呼びました。
WHOによると以下により、個人・家族・社会・学習・仕事などに重大な問題が生じる状態が12ヶ月以上続いた場合「ゲーム障害」と診断されます。
進行が速いとされる幼少期は、より短い期間で依存症とみなされます。
身体面では、体を動かさず、食事をまともに摂らなくなることによる血流障害・栄養障害・体重減少・筋肉減少・持久力減少・骨粗しょう症などさまざまなリスクの要因のほか、視力低下や睡眠障害になりやすいという報告もあります。精神面や脳への影響では、理性をつかさどる前頭前野の働きが低下することで、攻撃性が高まったり、対人関係を悪化させてしまう可能性も懸念されています。金銭面では、多額の課金や借金で、家族を困らせることもあります。
ここまでゲームの悪い面ばかりを紹介してきましたが、最近ではゲームが与えるよい影響も注目されてきています。例えば、1日1時間以内のゲームをすることで、「集中力が高まる」「計画性を養える」といった報告があったり、ストレス解消にもなります。ルールを決めて上手にゲームと付き合いましょう。
自分でゲームをやめられない状態の場合は、周りがサポートできる環境をつくることも大切です。病名がついたことで、今後は調査や研究も進み、国の対策も望まれるところです。病院では主治医の問診やカウンセリングのほか、同じゲーム依存症患者らとともに話し合い、本人が癖や誤りに気づけるよう促すプログラム(NIP)やゲームができない環境をつくるための入院・合宿などもあります。