ご家族や身近な方で、物忘れが目立って変だなと感じることはありませんか?もしかしたら、それは「認知症」のサインかもしれません。認知症は年々増加傾向にあり、高齢化社会が進む今後、認知症対策が重要な課題となっています。
認知症とは、脳の細胞が死滅したり働きが悪くなることで、記憶力・判断力などが低下し、生活する上で支障が出ている状態のことをさす症候群です。認知症は、かつて「痴呆症」と呼ばれていましたが、2004年に「認知症」という呼び名で統一されるようになりました。
老化による物忘れは、体験したことの一部や、事柄の一部を忘れてしまうのに対して、認知症は、体験したことそのものを忘れ、物忘れをしている自覚がないのが特徴です。忘れる度合も徐々にひどくなります。
例えば、「朝ごはんで食べたものを思い出せない」のは老化による物忘れ。「朝ごはんを食べたことを忘れている」のが認知症です。
認知症の全体の約85%を占めるのが「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」「脳血管性認知症」の3大認知症です。特に日本人の場合は、60%以上がアルツハイマー型認知症で、約20%は脳血管性認知症です。これらの病気にはまだ治療法がありませんが、アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症は、抗認知症薬で進行を遅らせることが可能です。
アルツハイマー型 | レビー小体型 | 脳血管性 | |
発症年齢 | 20代で発症することもあり、女性に多い。 | 60代以上の男性に多い。 | 50代以上の男性に多い。 |
主な原因 | 脳に異常なたんぱく質が蓄積し、神経細胞の死滅と脳の委縮が引き起こされる。 | 神経細胞にレビー小体ができることで、神経細胞の死滅が引き起こされる。 | 脳梗塞・脳出血などが原因で、脳の血液循環が悪くなり、脳の一部が壊死する。 |
認知症は周囲の方が気づいて、早期の段階で専門医に診断していただくことが重要です。「もしかして認知症かも?」と思ったら、「認知症 自己診断テスト」でチェックしてみましょう。認知症予防協会のホームページにありますので、利用してみて下さい。