アルコール依存症とは、お酒の飲み方(飲む量、飲むタイミング、飲む状況)を自分でコントロールできなくなった状態のことをいいます。
アルコール依存症は、本人の意思の弱さによって起こるのではなく、脳に異常が起きてお酒を飲むことがやめられなくなっている状態のため、専門医療機関での治療が必要になってきます。
自分でコントロールができないほど強い飲酒欲求を持つこと。飲酒に対するコントロールができなくなり、飲酒にふさわしくない場面でもお酒を飲んでしまったり、お酒を大量に飲み過ぎてしまったりする状況に陥ります。
断酒や、お酒を飲む量を減らした時に体にあらわれる症状。手のふるえ・多量の発汗・不眠・イライラ・不安感・嘔吐・下痢・けいれん発作・幻覚などの症状があらわれます。重症になると、意識障害を起こすこともあります。
アルコール依存症の治療は、専門知識を持った医師によって行われます。
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治療の基本 | = | 断酒 | + | ・身体の治療と離脱への対処 |
・心理社会的治療(酒害教育・個人精神療法・集団精神療法) |
個人差はありますが、アルコール依存症の治療は数年かかるといわれています。一般的に約3年間断酒ができれば、ようやく安定した日常生活を送ることができるようになるともいわれています。
アルコール依存症の治療の壁は、「自分はアルコール依存症だ」と自覚せず、専門医療機関での診療を拒否することです。まずはご本人だけでなく、ご家族や周囲の方がアルコール依存症について十分理解し、アルコール依存症であることを認めなくては治療は始まりません。アルコール依存症の治療には、ご家族や周囲の方も「断酒を成功させたい」という目標に向かって一緒に治療に取り組むことが大切です。
女性は体質的に、男性より少ない飲酒量や飲酒期間でアルコール依存症になりやすいといわれています。女性は摂食障害との併発や、結婚や子育て・介護などによる生活の変化やストレスによって飲酒が進むケースが多く、周囲の理解が得られず孤立しがちなこともアルコール依存症の原因となります。
また、女性のアルコール依存症治療は、家庭生活との両立が求められます。最近は、社会の変化に伴い、通院しながら治療できる医療機関や、女性のアルコール依存症へのサポートも少しずつ増えてきていますので、まずは専門医療機関や地域の女性相談所などで相談してみることをおススメします。