高齢者の服用
高齢になると口の周りの筋力や飲み込む力が衰え、薬が口に残ったりのどに詰まりやすくなります。薬の数や服用回数が多い方は負担も大きいため、スムーズに服用するためのサポートが大切です。

服用を拒否されてしまったら?
服用の拒否には、薬が飲みづらい、副作用がある、薬の必要性が理解できていないなどさまざまな理由があります。必要に応じて医師・薬剤師に相談し、理由にあった対処をしましょう。

認知症の方へ対応
認知症の方の中には、「毒を盛られている」といった被害妄想により、服薬を拒否することがあります。
まず、無理やり服用させることは避けましょう。普段の介護者ではなくケアマネジャーや訪問看護師、医師などから勧められることで服薬できる場合があります。
服用する薬に似たビタミン剤などを、介護する側も一緒に飲んで安心させるという方法もあります。
薬を飲むときのポイント
●水かぬるま湯で飲む
お茶やジュースなどで薬を飲むと、その飲み物に含まれる成分との相互作用で、効果が変わったり副作用をおこす場合があるため避けましょう。
●誤嚥 を予防する
水と薬を口に含み、少し下を向いて飲み込むと誤嚥しにくくなります。また服薬前に水分で口の中をうるおしておくのも効果的です。
●口に残っていないか確認
錠剤などは、飲み込めず口に残っている可能性があります。口を開けてもらい、飲み込めているか確認しましょう。
薬の種類と飲み方
●粉薬・顆粒薬
服用時にむせやすい方や苦味が苦手な方はオブラートに包むと飲みやすくなります。シートタイプや袋タイプ、ゼリータイプなどがあります。
●錠剤・カプセル
1錠ずつ舌の上にのせて飲みます。うまく飲み込めない場合は、医師や薬剤師に薬の形状を変えてもらうよう相談してみましょう。
●舌下剤
舌の下に置き、ゆっくりと唾液で溶かして成分を吸収させます。噛んだり飲み込んだりすると即効性や効果がなくなることもあるので注意が必要です。
●液体薬
薬の容器を振って混ぜ、目の高さで目盛りを確認しながら指示された量を用意します。コップやスポイト、吸いのみで服用しましょう。
服薬のタイミングについて
食前・・・食事の20~30分前のことです。糖尿病薬、漢方薬、制吐剤などは食前に飲むことで、薬の吸収がよくなったり、効果が高まります。
食後・・・食事が終わった20~30分以内のことです。一番多い服用方法で、胃の中の食べ物により、胃への刺激が軽減されます。
食間・・・食後2~3時間のことです。胃の中が空っぽの状態で飲むと吸収がよい薬や、胃の粘膜を保護する薬に多い飲み方です。