高齢者と低栄養について
厚生労働省の調査によると、65歳以上の6人に1人は低栄養状態にあるといわれています。高齢になると、食事量が減る、噛む力が弱くなる、消化・吸収機能が弱くなるといったさまざまな理由で栄養状態が低下し、栄養不足から感染症や要介護状態になることも心配されています。
低栄養の症状
- 体重減少
- 骨格筋の筋肉量や筋力の低下
- 元気がない
- 風邪など感染症にかかりやすく、治りにくい
- 傷や褥瘡(じょくそう:床ずれ)が治りにくい
- 下半身や腹部がむくみやすい
注意
食事量が減ると水分の摂取量も減るため、脱水症状がみられることもあります。
高齢者に不足しがちな栄養素は?
高齢者にとくに不足しがちなのは、エネルギー・たんぱく質・ビタミン・ミネラルです。これらは体を動かすために必要な栄養素ですが、毎日の食事から十分に摂れない場合は、栄養補助食品を活用することがおススメです。
栄養補助食品とは?
栄養補助食品は、食事がうまくとれない場合や不足している場合の「補助」的な役割を持っています。目的や用途に応じて種類が豊富にあり、味も飽きがこないように1つのゼリーで5~6種類の風味があるなど、工夫されています。
<栄養補助食品を活用しよう!>
- 少量で高カロリーの流動食
- 水分補給を目的とする水分補給ゼリー
- デザート感覚で補給できるゼリー・プリン
- ビタミン・ミネラルを強化した飲料
- 食事に混ぜられる粉末タイプ
栄養補助食品の選び方
栄養補助食品は、ドラッグストアやスーパーなどで販売しています。ご自分で選ぶよりも、専門家のアドバイスをもとに、利用される方の体の状態などを伝えて、おススメの商品を選んでもらうとよいでしょう。
<低栄養を防ぐ食生活を目指そう!>
- 食事は1日に3回、バランスよく摂りましょう。
- 動物性たんぱく質を積極的に摂りましょう。
- 野菜は多くの種類を食べましょう。加熱調理をすると摂取量を増やすことができます。
- 食欲がないときは、おかずを先に食べてご飯を残すようにしましょう。
- 味付けを工夫し、おいしく食べられるようにしましょう。
- 食器や盛り付け方を変えてみましょう。
- 和風・洋風・中華など、レパートリーを増やし飽きのこないようにしましょう。
- 家族や友人と会食する機会を増やしましょう。
- 噛む力を維持するため、歯科健診を定期的に受けましょう。