高齢者の睡眠トラブル
1日の睡眠や起床のリズムをつくる体内時計は、加齢による影響を受けやすいものです。そのため、寝つきが悪くなる入眠障害や、眠りが浅くて夜中に目が覚めてしまう途中覚醒などの睡眠トラブルが起こりやすくなります。

薬を服用している場合、その中に睡眠を妨げる成分が含まれるものがあり、不眠の原因になる場合があります。気になる場合は、かかりつけの医師・薬剤師に相談して下さい。
認知症と睡眠障害
認知症になると、不安感によって睡眠が妨げられ、昼夜が逆転してしまうことがあります。また、時間や場所が分からなくなる見当識障害も、夜中の徘徊など睡眠の妨げになります。ただし、周りの人がそうした行動を否定すると混乱を助長してさらに眠れなくなる場合もあるので、注意が必要です。

認知症の症状によって眠れない高齢者に対しては、強く寝るように促すことは逆効果になる可能性があります。家族の態度がストレスになって睡眠のリズムに悪影響を及ぼすこともあるため、強引に寝かせようとせず、本人の気持ちやペースに寄り添うようにしましょう。
睡眠トラブルの対処法
●日中は活動と日光浴を
日中は、散歩などで活動量を増やしましょう。午前中の日光浴は昼夜逆転の予防に効果的です。

●眠りやすい環境に
寝室の温度や明るさ、快適な寝具・寝間着など安眠ができる環境を整えます。また入浴は、寝る1~2時間前にすませましょう。

就寝前にマッサージをしたり、安心できる香りのアロマを使用するなど、心を落ち着かせる工夫も有効です。
●昼寝は15時まで
昼寝をしたいときは15時までにしましょう。寝る時間は20~30分程度に留めて下さい。

●かかりつけ医に相談も
睡眠に影響を及ぼさない薬の調整や、適切な睡眠薬の使用などを相談してみましょう。

毎日の睡眠時間や睡眠前・日中の様子などを簡単に記録しておくと、医師の相談時に原因解明や改善の一助になります。