01 高齢者の肌トラブルの原因は?
加齢で皮脂の分泌が減ると、肌のバリア機能(角質層がうるおいを蓄え、乾燥と外部刺激から肌を守る役割)が低下します。バリア機能が低下することによって、どんどん乾燥が進み、かゆみやカビ・細菌の感染などによる、さまざまな肌トラブルが起こってしまうのです。高齢者の肌トラブルを防ぐには、肌のバリア機能を守るための正しいスキンケアが大切になってきます。
高齢者に起こりやすい肌トラブル
- 絆創膏や粘着テープ等の刺激でかゆみがある。
- 常に皮膚がかさついている。
- 体を洗った後、肌がつっぱっている。
- 摩擦・ずれの多い部分がざらつき、皮がむける。
- 寝具やシーツにフケのようなものがポロポロとはがれ落ちる。
02 正しいスキンケア(入浴編)
1日に何度もボディソープなどの洗浄剤を使って洗うと、皮脂を取りすぎてバリア機能が低下してしまいます。洗浄剤を使って洗うのは1日1回までに控え、あとはやさしく拭き取るか、ぬるま湯だけで洗いましょう。洗浄剤は弱酸性で、なるべく低刺激のものがおススメです。
おしりを傷つけない洗い方
- 紙おむつをはずす。
- 洗浄剤をよく泡立てる(もしくは泡で出てくるタイプを手の平に出す)。
- 泡をつぶさないように、汚れを包み込むように泡を塗る。
- 肌をこすらないようにペーパー等で泡を拭き取る。
03 正しいスキンケア(保湿編)
1日の中でも入浴後はとくに肌の乾燥が進行しやすい場面です。入浴後はすぐに保湿剤でケアしましょう。保湿成分入りの入浴剤を使用するのもおススメです。
<保湿剤の塗り方>
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摩擦を防ぐため保湿剤は多めにとり、肌の上に「点」でのせます。
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指先ではなく手の平を使い、肌をこすらないように気をつけながら、シワに沿ってやさしく肌に浸透させます。
04 スキンケア以外で気をつけること
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肌着類には化学繊維を避ける
ナイロン・ポリエステルなどの化学繊維は、乾燥肌や敏感肌の方には不向きな素材です。肌に触れる衣類には、なるべく木綿・シルクなどの自然素材のものを選びましょう。
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電気毛布の長時間の使用に注意!
1日中電気毛布を使用している方は、乾燥や脱水に注意が必要です。室内の湿度は60%以上に保ち、こまめな水分補給を心がけましょう。
高齢者の方は脱水状態になりやすいため、冬でも熱中症にかかることがあります。水分を十分に摂るようにしましょう。水分が不足すると、消化や排泄機能が妨げられたり、粘膜や皮膚の弾力性が失われるなどの障害が起こるだけでなく、血行不良により脳梗塞を起こしやすくなります。食事とは別に1日にコップ5杯くらい(約1000ml)の水分補給を心がけて下さい。飲料で摂りにくい場合は、ゼリーや果物で摂取するという方法もあります。