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高齢者の口腔内には危険がいっぱい!
加齢やある種の疾患により、体の状態が悪くなると、口腔内も清潔に保てなくなります。さらに唾液の分泌量の低下により、口腔内が乾燥しがちになると細菌が増殖しやすくなり、細菌が口腔内から体内へ侵入し、誤嚥性肺炎(口腔内から唾液や細菌がなんらかの要因で、誤って気道に入り込んでしまって起こる肺炎のこと)などの全身疾患を引き起こす恐れがあります。これらの病気を予防するためにも、口の中の細菌を取り除いて清潔にしておくこと、つまり口腔ケアを行うことが重要になります。
口腔ケアのメリット!
- 虫歯や歯周病などの予防
適切な口腔ケアをすることで、虫歯や歯周病、口内炎や口臭などの予防になります。 - 感染症の予防
口腔ケアで口内の細菌を減らすことで、誤嚥性肺炎などの予防につながります。 - 食欲増進
口腔ケアで唾液の分泌量が増えれば、味覚も改善され、食欲増進・栄養改善につながり、精神的に大きな支えとなります。 - 脳の活性化
自分の口で物を噛み・飲み込むことは、脳の活性化や認知症予防に役立ちます。
02 お口のお手入れ方法
口腔ケア用品には、保湿に適したスプレーやジェル、口腔内の汚れを効果的に取り除くスポンジやガーゼなどの種類があります。口腔内の状態に合わせて使い分けましょう。
歯の清掃
歯ブラシの毛先部分を歯に垂直に当て、毛先が広がらない程度の力で、小刻みに動かして磨きましょう。
粘膜の清掃
歯ぐき、頬の内側、唇の内側など、粘膜の部分はスポンジブラシやウェットガーゼなどを使い清掃しましょう。口腔粘膜は傷つきやすいので、やさしくこすりましょう。
舌の清掃
専用の舌ブラシなど、やわらかいブラシで、舌の奥側から手前に向かってやさしく舌の汚れをこすり落とします。やりすぎると舌を傷つけてしまうので、注意しましょう。
頬のマッサージ
歯ブラシの背の部分で頬の内側を外へ押し上げながら上下に3回程度動かします。頬の内側をマッサージすることで強ばった筋肉を柔軟にします。
歯ブラシは、ブラシが小さくやわらかいものがおススメです。また、歯ブラシの柄を太くする、長くする、曲げるなどの工夫により、できるだけ自分でできるようにしてあげましょう。入れ歯は、入れ歯用歯ブラシを使い流水で洗いましょう。また、毎食後のお手入れに加えて、就寝前は入れ歯用洗浄剤を使用して清掃しましょう。

口の中の掃除をする際は、誤嚥に配慮する必要があります。口の中に歯ブラシなどを入れると、その刺激で唾液が出てくるため、あごが上がった状態にならないように注意してケアを行いましょう。