誤嚥の原因は?
食べた物を食道や胃へ送りこむことを「嚥下」といい、その機能が低下すると、唾液や食べ物が気管に入る「誤嚥」を起こします。誤嚥した唾液や食べ物が肺へ入ると、「誤嚥性肺炎」になる危険もあります。
誤嚥性肺炎を予防しよう!
高齢者の肺炎は、多くが誤嚥に関係しているといわれています。誤嚥性肺炎は、肺に入ってしまった食べ物や唾液に細菌が付くと起こるため、食前・食後は口の中を清潔な状態に保ちましょう。歯みがきや口をすすぐことができない時は、お茶を飲むと効果的です。
誤嚥しやすい食品
- 口の中やのどにくっつきやすいもの
焼きのり、わかめ、生野菜、もち など - 歯で噛み切りにくいもの
たこ、いか、こんにゃく、きのこ など - 水分が少なくパサパサしたもの
パン、いも、ゆでたまご など - 口の中でバラバラになるもの
ひじき、ナッツ、豆、ひき肉 など
飲み込みやすくする工夫
- 生野菜は、塩でもんでしんなりさせたり、皮をむく。
- たこやいかは、細かく隠し包丁を入れて、一口大にする。
- パンは、牛乳やスープなど水分を含ませて食べる。
- ひき肉はつなぎを入れて丸く成形し、あんかけにする。
- おろした大根や山芋、絹ごし豆腐などと和える。
誤嚥を予防するポイント
飲み込みやすい形状にする
市販のとろみ剤などで適度なとろみをつけたり、細かくした食材をゼラチンで固めるなど、工夫しましょう。
いい姿勢で食事をする
イスに深く腰かけ、両足を床に付けて、あごを引いた姿勢にします。口をしっかり閉じて、きちんと飲み込みましょう。
もしも
むせてしまったら・・・?
前かがみになり、咳をさせましょう。背中を叩くと、気管支にある食べ物が肺へ落ちてしまうので、やさしく背中をさすります。
市販品を上手に活用!
とろみ剤(とろみ調整食品)は、加熱することでとろみが出る片栗粉やくず粉と違い、料理の温度に関係なくとろみをつけることができます。嚥下機能が低下した人向けのレトルト食品やフリーズドライ食品もあるので、市販品もうまく活用して、無理なく介護を続けましょう。