2015年に行われたある調査によると、15歳~60歳の男女の約26%がコンタクトレンズを使用しているとの結果が出ています。また、レンズ使用者の約3割に、なんらかの目の異常がみられるとのことです。コンタクトレンズは高度管理医療機器であり、眼科医の指示の下、自分に合ったものを正しく使用することが大切です。
コンタクトレンズは、ハードレンズとソフトレンズに大別できます。ハードレンズは、眼球表面の黒目の部分である角膜に、涙の層を間に挟んで乗せるように装用します。まばたきをするたびにレンズが少し動き、その都度レンズと角膜の間の涙が新しい涙に置きかわる仕組みです。ソフトレンズは、軟らかい素材で角膜全体をすっぽりおおい、目の表面に固定されます。涙の交換はあまり行われません。
角膜は無色透明の組織で、細胞が生きるのに必要な酸素を送り届ける血管がありません。そのため、必要な酸素は主に涙の層を通して運ばれます。コンタクトレンズはこの経路を邪魔するので、角膜に負担がかかります。酸素不足に陥った角膜は、傷付いても修復が追い付かず、感染症の原因にもなります。また、角膜の周囲の結膜(白目の部分)から血管が侵入し(角膜パンヌス)、最悪の場合、失明につながってしまう可能性もあります。
ハードコンタクトレンズは、基本的にレンズを装着したままで、どの目薬をさしてもかまいません。しかし、ソフトコンタクトレンズや酸素透過性ハードコンタクトレンズを装着したまま目薬をさすと、レンズに目薬の成分や保存剤が吸着し目に刺激を与えたり、レンズの性状や形状に影響を与えたりすることがあります。市販の目薬を利用する場合は、「ソフトコンタクトレンズを装着したまま使用可」などの明記がされている製品を使うか、一旦コンタクトレンズを外してから目薬をさし、最低5分以上経ってから再装着しましょう。
連続装用タイプであれば、使用時間と期限を守り、毎日正しくケアをすることが不可欠です。一方、1日使い捨てレンズをもったいないからと連続装用すると、目にトラブルを生じさせる原因になります。ただし、正しく使えば1番目の負担を軽減できます。また、カラーコンタクトレンズは品質に差があるため、とくに注意が必要です。目に異常を感じなくても、3ヶ月に1回は眼科医の診察を受けるようにしましょう。