水虫は白癬菌というカビの一種が、皮膚の角質層に寄生することによって起こる皮膚の病気です。
白癬菌は手や体にも感染しますが、9割近くは足に感染します。
白癬菌と戦う体の免疫細胞は、十分な水分が存在するところでしか働けません。水虫の患部がジュクジュクしたりかゆくなったりするのは、体の免疫機能が正常に働いている証拠であり、水虫薬の力を借りて一気に完治させるチャンスでもあります。
患部の炎症がひどいときは、皮膚科を受診しましょう。一時的に抗炎症剤を使用し、ある程度症状を抑えながら治療が進められることもあります。
白癬菌はニオイを発生させる菌ではないため、水虫が原因で足が臭くなることはありません。ただし、ジュクジュクしている患部に雑菌が増殖してしまうと、強い悪臭を放つことがあります。そのため、水虫薬の中には抗生物質を配合したものがあるため、場合によっては抗生物質の使用も検討する必要があります。
いんきんたむし(股部白癬)とは、主に陰部に白癬菌が感染する水虫の一種です。いんきんたむしも水虫薬で治療ができますが、「陰嚢には塗らないこと」との注意が記されています。これは、陰嚢には角質層がないので、白癬菌が寄生できず、感染が広がらないからです。陰嚢にかゆみがあるときは、いんきんたむしの可能性は低く、陰嚢湿疹であることが多いです。自己判断でかゆみ止めを使うと、症状が悪化することもあるため、皮膚科で適切な薬を処方してもらいましょう。
従来の抗真菌剤が配合された水虫薬では、白癬菌の増殖を抑えるまでの効果しか期待できず、結局毎年繰り返し水虫に悩まされることになっていました。一方、10年ほど前からは、積極的に白癬菌を殺す作用を持つ殺真菌剤が市販薬にも登場し、水虫を完治させることが可能になっています。
水虫を完治させるポイント
症状が出ているところよりも広い範囲に薬を塗る。患部がキレイになったあとも最低1ヶ月間は薬を塗り続ける。
不十分な塗り方
症状がある部分だけに塗る。
▬薬を塗る範囲
水虫の患部がかゆいからといって、ステロイド外用薬を塗ってはいけません。ステロイドには免疫力を抑える作用があるため、水虫・たむしに使用すると、最初は炎症が緩和して症状がよくなっているように見えることが多いのですが、使用し続けると白癬菌の大増殖を許し悪化します。水虫治療薬できちんと治しましょう。