風邪は冬だけでなく1年を通じてひく可能性がありますが、一般的に「風邪をひいてしまった」というときは「普通感冒」のことをさします。
普通感冒の初期症状は、のどの痛み・くしゃみ・鼻水・頭痛・だるさなどで、やがて鼻水に粘り気が出てきて鼻づまりが起こります。せき・発熱(微熱から比較的高い熱)・吐き気・下痢をともなう場合もあります。
風邪の症状は、原因となる病原体が体内で増殖する際に起きる免疫反応です。主にウイルスによる感染が原因となります。このため、いくら寒くても風邪の原因ウイルスが生活環境中に入り込まない南極基地の隊員は、通常風邪をひかないといわれています。
かぜ症候群*と症状
*インフルエンザウイルスやSARSコロナウイルス感染症を含めた、上気道(鼻腔から喉頭まで)感染症。
インフルエンザの治療には抗インフルエンザウイルス薬が用いられますが、他の風邪ウイルスに直接効く治療薬は限られています。 このため、それぞれの症状に応じた解熱剤やせき止め、あるいは風邪の諸症状に対応した総合感冒薬を服用し、回復を待つことになります。
病原体の感染が集団から他の集団へ広がることを、テレビや新聞報道では二次感染とよく表現していますが、ヒトからヒトへの感染は水平感染と呼ぶのが正しいです。二次感染とは本来、インフルエンザウイルス感染等で体の抵抗力が弱ったところへ、続いて他の病原体(多くは細菌類)が感染し、新たに肺炎や髄膜炎などを発症することをさします。この際には、合併症とも表現されます。
一方、エイズウイルスや肝炎ウイルス等の病原体が妊婦から胎児へ感染することは、垂直感染(一般的には母子感染)といいます。