多汗症の多くは、精神的ストレスが原因であるといわれています。例えば、大勢の人の前に出て緊張している時や、「失敗してはいけない」と不安を覚えた時などに、多量の汗をかきます。
しかし、リラックス時でも多量の汗をかいたり、起床後にすぐ汗をかき始めるといったケースもあります。このように、多汗症は必ずしも精神的ストレスが原因で発症する病気ではないため、ご自身がなぜ多汗症になっているのかを理解することが大切です。
精神的要因による多汗症は、精神的な問題により恐怖を覚えて発汗することから、別名「発汗恐怖症」とも呼ばれています。ストレスや緊張、不安を感じると、交感神経が優位になって、汗腺の働きを活発にします。そのため、交感神経が敏感な方ほど、多汗症になりやすいといわれています。
代謝異常や内分泌異常、循環器や中枢神経の病気を患っていると、多汗症になる場合があります。これらの病気が原因の場合は、局所性多汗症になることは稀で、多くの場合は全身性多汗症になります。
多汗症の原因には、ホルモンバランスの乱れも考えられます。ホルモンの分泌は、脳の視床下部でコントロールされていますが、交感神経も同時にコントロールされているため、ホルモンバランスが乱れることで、交感神経のバランスも乱れ多汗症となります。
辛いものを食べたり、熱いものを食べたりすると汗をかきます。これは正常ですが、過剰になると味覚性多汗症になります。
また肥満の方は、多汗症になりやすい傾向にあるため、バランスのとれた食生活を心掛けましょう。たばこやコーヒーには、ニコチンやカフェイン等の中枢神経興奮剤が多く含まれているため、過剰に摂取すると発汗が促されます。