着替えの重要性
食事や排泄、寝汗などにより高齢者の衣類は汚れやすいため、こまめな着替えが欠かせません。体の清潔さを保つことはもちろん、気分転換にもつながり、心身ともに重要な役割があります。

「脱健着患 」とは?
体に半身
※拘縮…長期間動かしていないことなどが原因で、関節が動かしづらくなる状態。

衣類を選ぶポイント
●上着(上衣)
上着は、前開きの服や開閉しやすい大きいボタンが付いた服を選びましょう。また袖穴・肩幅が広い服は、服自体を大きく動かせて腕を通しやすいのでスムーズに着替えができます。
●ズボン
側面がファスナーになっているタイプのズボンは、横になったままでも楽に着替えができ、さらに診察時にも便利です。裾がリブになっているタイプは、裾口のずり上がり防止になるのでおススメです。
●下着
ゆったり履けるサイズで、排泄時などに上げ下げしやすいものを選びましょう。汚れてしまうことも考慮して、通気性のいい素材がおススメです。
●靴下
ゴムがきついとかゆみや痛みが生じる可能性があるので、よく確認して選びましょう。安全に歩行できるよう、足の裏に滑り止めがついているタイプもあります。
<素材について>
①伸縮性
関節の可動域が狭くなる高齢者には、ジャージーのように適度な伸縮性のある素材の衣類を選ぶと良いでしょう。
②低刺激
化学繊維だけではチクチクとした肌触りになるため、天然繊維を使った素材がおススメです。ガーゼ、麻、綿など、柔らかく肌にやさしい素材を選びます。
③通気性・保温性
自分で体を動かせないと、体温調節もうまくできません。そこで通気性・保温性のよさにも注意しましょう。綿の下着にニットの上着など、重ね着でカバーする方法もあります。
④扱いやすい
日頃からお手入れしやすくシワになりにくい、丈夫で長持ちするような生地の介護用衣類を選ぶと便利です。
着替えなど日常生活の中で体を動かすことは、高齢者にとって身体機能の低下を防ぐ効果があります。自分でできる範囲のことはなるべく行ってもらい、介助が必要な場合はサポートするとよいでしょう。