唇の両端に亀裂が入り、ピリッとした痛みが生じる口角炎。痛みで普段の会話や食事もつらいとお悩みの方も多いのではないでしょうか。治りかけたところで口を大きく開けるとまた裂ける…その繰り返しでなかなか完治しないのが特徴です。
口角(唇の左右両端の部分)は、顔の中でもとくに皮膚が薄く、わずかな刺激でも荒れやすい性質をもっています。その口角に炎症が起き、赤みや腫れが生じます。そして亀裂が入り、激しい痛みを伴います。やがてかさぶたが作られますが、会話や食事の際に口を大きく開けるとまたひび割れて亀裂が生じる。これを繰り返してしまうのです。
原因の一つとして考えられるのが、カンジダ菌(カビの一種)による感染です。通常は皮膚にカンジダ菌が付着しても問題ありませんが、疲労やストレスで免疫力が下がると増殖し、口角炎を引き起こします。他にも、乾燥や唇をなめる癖、栄養不足、化粧品による刺激が原因となることもあります。中には、糖尿病などの病気や、治療中の薬剤によって口角炎が起こりやすくなる場合もあります。
1唇・口角をなめない、触らない。
※唾液には消化酵素が含まれているため、それが刺激となり、唇の乾燥を助長させてしまいます。
2刺激の少ないワセリンやリップクリームで保湿する。
3ストレスや疲労をためず、十分な睡眠をとる。
4ビタミンB群を摂取する。(レバー、牛乳、豆類、緑黄色野菜など)
なかなか治らない場合は、皮膚科や口腔外科で相談しましょう。
口角炎と間違えやすい口唇ヘルペスは、唇や口の周囲に小さな水泡ができ、チクチクした痛みやかゆみを伴います。「熱の花」ともいわれ、疲労や風邪など、免疫機能が低下したときに発症しやすくなります。口唇ヘルペスは人にうつるため、タオルなどを人と共有しないようにしましょう。