カフェインには、眠気を覚まして集中力を高める効果や、利尿作用・鎮痛作用等があります。しかし、プラスの効果だけでなく副作用もあるため、正しい知識を覚えておきましょう。
脳内にある「眠りを誘う受容体:アデノシン受容体」と結合し、アデノシンの働きを抑えることで脳を覚醒させる作用があります。
血管を収縮させる作用があるため、血管の拡張によって起こる頭痛に効果があり、頭痛薬や風邪薬の成分としてもカフェインが使われています。
カフェインは一時的に血圧を上昇させる傾向にありますが、尿の量を増やし血液の中から余分な水分を減らすことで、血圧を下げる効果も期待できます。
カフェインの覚醒作用は、疲労などの「原因」を取り除いているわけではなく、脳の中枢神経を興奮させ、体に無理をさせているだけです。そのためカフェインの作用が切れると、頭痛、集中力の低下、疲労感などのマイナス面があらわれます。また、胃酸分泌促進作用により、胃粘膜傷害を引き起こしやすく、少しのカフェインで胃痛を訴える人もいます。
一部の植物の実や葉には、カフェインが多量に含まれています。これは、昆虫や鳥にとってカフェインは毒物であり、実や葉を食い荒らされるのを防ぐ効果があるためと考えられています。
妊娠中は肝臓の代謝速度が低下するため、カフェインの分解・排出に時間がかります。そのため、体内にカフェインが留まる時間が長くなり、胎児へもカフェインが届きやすくなってしまいます。また、1歳になる頃までの乳幼児は、体内からのカフェイン排除能力がとても低いため、授乳中もカフェインはできるだけ控えましょう。
カフェインの1回の摂取限度は、体重1kgあたり2.5mg程度までです。体重60kgであれば150mgになります。コーヒー200mlには80~100mgのカフェインが含まれているため、続けて2杯は飲み過ぎです。また、効果が続くのは5時間程度なので、計算して飲みましょう。なお、昼寝をする前にコーヒーを飲んでおくと、15分程度ですっきり目覚めて、仕事や勉強の効率が上がります。
医薬品類の眠気覚ましの成分もカフェインですが、1回の許容量は200mgで、1日最大摂取量は500mgと定められています。