更年期障害とは、閉経を境に卵巣の働きが鈍くなることで、主に卵巣で分泌されるエストロゲンという女性ホルモンが減少することが原因とされています。これまで更年期障害は、主に50歳前後の女性だけに起こるものと認識されていましたが、最近では20~30代の若い女性にも、同様の症状に悩まされている方が増え、若年性更年期障害といわれています。
若年性更年期障害の原因として、働く女性が増加し、ストレスを抱えやすくなったことがあげられます。ストレスが自律神経の働きに影響を与えることで、ホルモンバランスが崩れ、様々な症状があらわれると考えられています。また、過度の飲酒・寝不足・過激なダイエット・喫煙・食生活の偏りといった生活習慣も若年性更年期障害を引き起こす要因とされています。スポーツ選手などの場合は、過激な運動が原因になることもあります。
症状は基本的に更年期障害と同様になりますが、代表的な症状は、ほてり・手足の冷え・めまい・頭痛といったものがあげられます。さらに症状が悪化すると、骨量の減少・膣の乾燥や萎縮・脱毛・うつ症状などが起こることもあります。生理不順や無月経症状になることもあり、さらに症状が深刻になっていきます。特に短期間で体重が激減した場合、体は飢餓状態にあり、まず生命活動を優先させ妊娠を避けようとし、結果として生理が止まってしまいます。
若年性更年期障害の治療には、ホルモン療法・漢方薬・低用量ピルなどを活用して、ホルモンバランスを安定させる方法があります。また、若年性更年期障害を予防するには、規則正しい生活を心がけることが重要です。普段の生活習慣を見直し、タバコを控える・運動をする・ストレスを解消する・栄養バランスのよい食事を摂ることを心がけましょう。
大豆イソフラボン群は、主にゲニステインとダイゼインと呼ばれる物質から成っています。最近このダイゼインが、腸内細菌の持つ酵素によりエクオールという物質に変換され、より強いエストロゲン様作用を示すことが明らかとなってきました。しかし、体内でエクオールをつくることができる人口比率は、日本人で約2人に1人といわれています。そのため、あらかじめエクオールに変換されたイソフラボン製品が更年期障害の症状が気になる方に注目されています。