入社時の配属はドラッグ部門の薬剤師として勤務しました。その後調剤単独店(薬局)を1店舗、調剤薬局併設のドラッグ店を2店舗経験し、在宅調剤センター名古屋に勤務しておりました。「在宅調剤センター」はその名の通り外来の処方箋を主とせず、基本的には介護施設からの処方箋をメインに受け付けております。こちらでの調剤(処方箋)の流れは、医師と共に介護施設への往診を行い患者様の様態(副作用の有無・服薬状況の確認など)を確認し処方内容を確定させます。その後薬局にて調剤を行い、介護施設に配達するというのが原則となります。その他にも、複数の病院に通院していて複数の薬局から薬が出ている場合も併用、処方の期限日などを管理するなど、薬のことに関しては”かかりつけ薬剤師”として全て管理していました。現在はスーパーバイザーとして、7店舗の責任者をしています。

在宅調剤で大切なことは薬剤師としての基本的な能力である知識はもちろんですが、”行動力とコミュニケーション能力”が必要だと感じます。医師との往診同行や、お薬の配達などの業務は一般的な調剤薬局と異なり薬局内にいる時間が少ないです。日々1~2時間は薬局で業務を行い、大半の時間を施設等の薬局の外に出ているということも珍しくありません。どれだけ効率よく正確に、患者様に納得と満足いくようにできるかが大切になってきます。
また薬局の外に出ることによって局内のスタッフ以外の人たちと関わることが増えます。医師、看護師などの医療従事者はもちろん、介護スタッフ、ケアマネージャー、介護施設の責任者など多くの職種の方々と会話をし連携を図らなくてはなりません。そこでのコミュニケーションは最も大切で、その連携が上手くいき他職種の方々と信頼関係が築けるようになって初めて満足いく治療を患者様に提供できると考えています。その連携で1人の患者様が1日でも元気に行動できることが大きなやりがいになっています。

薬剤師として一人ひとりの患者様の健康に一番近くで貢献でき、評価をいただけることです。実際に往診を行うことによって患者様の様態をみることにより、もっと小さい錠剤に変更したほうが良いのではないか。粉砕の処方にしたほうが良いのではないか。など薬剤師としてあらゆる可能性を考察できることにより患者様に少しでもストレスなく薬の服用を継続していただくことができます。副作用の症状が出ているから処方の変更を医師と相談する。など、薬剤師として考察し処方を変更したことによって患者様の様態が少しでも回復すると役に立てたことに達成感を感じます。このように行動することにより、残念ながら患者様が亡くなられた時も患者様のご家族から「よく対応してくれてありがとう」と言っていただけることがあります。一般の薬局だと、患者様がいつ入院されたか、いつ回復されたのかもわからないことが多く、お礼をいわれることも少ないです。実際に感謝のお言葉を頂いた時はやりがいと充実感をが得られます。

薬剤師として薬局の中で処方箋を待つという時代から、薬剤師が外に出て行き処方箋をもらってくるという時代に既に変わっていると考えています。今後の薬剤師に求められている能力や職域も変化してきていると思います。処方箋には血液検査の数値が記入され、在宅医療が促進され、薬剤師に、より臨床的な側面からのアプローチが求められている。と現場で感じています。その変化に対応できるよう常に学ぶ姿勢を持ち続けることが大切だと思います。また薬のことだけでなく、治療方針や薬の選択方法を実際に現場で見ながら学んで行くことが大切だと思っています。

薬剤師の資格は習得すれば終了という訳ではありません。そこから日々学んで行くことが大切になります。今回は調剤の話ばかりになってしまいましたが、薬剤師は調剤だけでなく健康に関わる全ての分野の知識を持っていることが大切です。経験して無駄なことはないと思いますのでドンドン経験して患者様の頼りになり、なんでもこなせる薬剤師になれるよう一緒に頑張りましょう。